2017年11月26日

12月住職日々随想

住職日々随想
「生きる意味がわからない」
これは、社会に大きな衝撃をもたらした、座間市の自殺念慮者男女九人連続殺人・死体損壊事件を引き起こした犯人が、父親にもらしたと言われる言葉です。
 もちろん、自身の生きる意味がわからないからといって、短絡的に人を傷つけたり、命を奪ったりすることが、許されるはずもありません。
しかし、よくよく考えてみますと、意味の喪失から生まれた深い絶望が、時に人格を破壊し、狂気に陥らせるほどの負のエネルギーを持っていることを、我々はこの事件によって、改めて知らされたのではないでしょうか。
 今ひとつ気づかされた大きな問題は、何故このような未来ある若い人たちが、自死するしかないとの思いにとらわれ、このような事件に巻き込まれてしまうのかということです。
 これは「命のホットライン」のような、自殺念慮者と関わるボランティア活動に携わっている方が語って下さったことで、一人の自殺念慮男性とのやり取りの中で、確信に至ったというのですが…「死にたい人など本当は一人もいない。ただ生きるのがつらい、困難だ、もう死ぬしか解決の道はないのではないか、と思い詰める人はいる。だから本当に必要なのは生きる為の支援なんだ。今、支援する私が、何時、支援してもらわないといけなくなるか判からない。相互の支援が大切なんだ。」と。
 実に人間はこの世に生まれて、生きる意味を求めずにはおれない存在ですし、それ故、意味を見出し得ない虚しさと、向き合わずには、生きていけない宿命を負う者でもあるのです。
 明治を代表する仏者、清沢満之も「自己とはなんぞや、是れ人生の根本的問題なり。」と、生涯かけて出遇っていくべきものが、私という存在なんだと表しておられます。
 ならば座禅でも組んで内観すれば、いつか見出せるのか?と、問われても、それは我々凡夫には、そう容易なものではないでしょう。
 私の内面をいくら掘り下げても、本当の自己には出遇えません。むしろ様々な関係性の中で、他者に投影する私、そして、その私を映し出す鏡としての仏法に、私を尋ねていかなければ、この時々刻々と変化し続ける、自己との出遇いを果たすことなど、ありえないことなのです。
 仏法は私が立ち上がり、歩み出す時、初めて「仏道」として開かれ、先人たちの苦難の足跡もそこに見出されてくるのです。
 親鸞聖人はその主著、教行信証の最後に、安楽集の文を引かれ「真言を採り集めて、往益を助修せしむ。何となれば、前に生まれん者は後を導き、後に生まれん者は前を訪え、連続無窮にして、願わくは休止せざらしめんと欲す。無辺の生死海を尽くさんがためのゆえなり」と、表白しておられるのです。

十二月の行事

2 日(土)午後4時〜 祥月講・同朋の会
    ご法話 専光寺若院 島 大史師
3 日(日) 日帰りバスツアー 
       鷺の森別院・根来寺・九度山
12日(火)午後2時〜 門徒女性聞法の集い
               浄土和讃28
14日(木)午後2時〜 仏教民謡踊りの会 

15日(金)午後2時〜 仏教コーラスの会

17日(日)午後2時〜 おみがき清掃ご奉仕
                年末懇親会
31日(日)夜11時半〜歳暮勤行・除夜の鐘

一 月の行事

11日(木)午後2時〜 仏教民謡踊りの会

12日(金)午後2時〜 仏教コーラスの会 

21日(日)正  午〜 安泉寺新年互礼会 

*一月の門徒女性聞法の集いはお休みです。。
*本堂内すべて椅子席、床暖房完備、
 どなた様 もお気軽に。
posted by ansenji at 14:31| Comment(0) | 住職日々随想

2017年11月01日

11月住職日々随想

 二週間以上続いた長雨、そして列島を縦断した超大型台風21号襲来といった悪天候のさなか、衆議院総選挙が実施され、野党の足並みの乱れもあり、結果、与党の圧勝で終わりました。 短期間の選挙戦ではありましたが、つくづく悲しく感じさせられましたのは、他党批判に終始する党首や候補者のあまりの多さ、マスコミやネット空間を飛び交う、野卑で憎悪むき出しの発言を含めた、日本の言論空間全体の質的劣化ということです。
 世界的右傾化の中、ヘイトスピーチに代表されるような、内向きで排他的な意見が、臆面も無く叫ばれるようになってきました。こういった流れの行き着く先として、大いに懸念されるのは、新たなファシズムの誕生です。
 ヒットラーは突如現れたのではありません。ナチスの台頭を許したのは、「ドイツ人のパン屋さん」という看板を掲げた店が現れた、そんな些細な出来事が始まりと言われますが、その後、急速に広まった「第一次世界大戦の敗北を含めたドイツ民族の不遇は、ユダヤ人やマイノリティーのせいだ、彼らを排除しろ」という憎悪感情の蔓延を、一般民衆が許したからに他なりません。
 仏教の中核を成す思想に、中道ということがあります。これは、何も対立する二つの事柄の間をとって、妥協するというようなことではありません。
 物事をそのまま、有る無しなどの二項対立のどちらに対する執着も持たず、背後にある真実の相を把握しなければ、人間としての真の生きがいを体得することは出来ないという立場(空観(くうがん)です…が、およそ偏りのない心など持たないわが身です。
 凡夫の身の事実としては、阿弥陀仏をたのむ南無のところに自然に開かれてくる、その立場に立ち続ける他ないのです。しかし、実はそこにおいて初めて、真実のお育てを賜ることとなるのです。
 思想家の内田樹氏は、「日本の政治文化が劣化したというのは、シンプルでわかりやすい解をみんなが求めたせいなんです。正しいか間違っているか、敵か味方か、AかBか、そういうような形で選択を続けていった結果、日本の政治文化はここまで痩せ細ってしまった。
 それをもう一度豊かなものにするためには、苦しいけれども、理解も共感も絶した他者たちとの”気まずい共存”を受け入れ、彼らを含めて公共的な政治空間を形成してゆくしかない。」
と知見を述べておられます。
 また、ヴォルテールの言葉にも「私は君の意見に反対だ。しかし、君がそれを言う権利は、命をかけて守ってみせる。」と、共に念仏の
信に生きる者として、もって瞑すべきこと
と思われます。
11月の行事

1 日(水)午前10時半〜 ピラティス

5 日(日)午後1時〜 おみがき清掃ご奉仕

  報 恩 講
12日(日)午後2時〜 大逮夜    
       夕方6時〜 御伝鈔拝読
13日(月)午後2時〜 結願日中 
      ご法話 泉大津 南溟寺 戸次公正師
     (お抹茶・お斎のご接待有ります。)

17日(金)午後2時〜 仏教コーラスの会

30日(木)午後2時〜 仏教民謡踊りの会

十二月の行事

2 日(土)午後4時〜 祥月講・同朋の会
    ご法話 専光寺若院 島 大史師
3 日(日) 日帰りバスツアー 
       鷺の森別院・根来寺・九度山
12日(火)午後2時〜 門徒女性聞法の集い
               浄土和讃28
14日(木)午後2時〜 仏教民謡踊りの会

15日(金)午後2時〜 仏教コーラスの会

17日(日)午後2時〜 おみがき清掃ご奉仕 
                年末懇親会
*11月の門徒女性聞法の集いはお休みです。
*本堂内すべて椅子席、冷暖房完備、どなた様もお気軽に。
posted by ansenji at 16:01| Comment(0) | 住職日々随想