2018年08月27日

住職日々随想

法 悦 9月号 816号

一休さんと蓮如上人 往復問答 二題 


 極楽は十万億土と説くならば

 足腰立たぬ婆は行けまじ
              (一休宗純)
 
 極楽は十万億土と説くなれど
 
 近道すれば南無の一声
              (蓮如上人)


 阿弥陀にはまことの慈悲はなかりけり

 たのむ衆生のみを助ける
(一休宗純)

 阿弥陀にはへだつる心なけれども

 蓋ある水に月は宿らじ
(蓮如上人)

青色青光
 本願を疑う自力の執心捨て難し

 上記の往復問答は、とんちで名高い一休さんと本願寺中興の祖、蓮如上人との往復問答のうたです。
 一休さん(一休宗純1394〜1481)は蓮如上人(1415〜1499)より二十一歳年上ですが、二人はともに仏法を語り合い、尊敬し合った良き法友であったと伝えられています。
 その一休さん、様々な問答を蓮如上人に仕掛けて、何とかやり込めようとしますが、多くの場合、蓮如上人の方が一枚上手であったようです。
 一休さんが阿弥陀仏の浄土は、西方十万億土と阿弥陀経などに説かれているが、それほど人知を越えた彼方にあるのなら、およそたどり着くことなどかなわぬのではないかと問うたのに対して、蓮如上人が、自力ではとうていたどり着くことなどかなわないが、阿弥陀仏の本願力に乗じて、念仏すればまさに即得往生がかなうのであると返されたのです。
 今ひとつは、蓮如上人の書かれた御文の中に、「この信心を獲得せずは、極楽には往生せずして、無間地獄に堕在すべきものなり」と述べているのは、阿弥陀仏の救いに差別があり、たのむ者しか救わぬということか問うたのに対して、蓮如上人が阿弥陀仏の本願に差別はないけれども、月影が水に映るがごとく、差別無く照らす阿弥陀仏の本願を、疑う心が蓋をして届かなくしてしまうのだと返されたのです。

住職日々随想

 2018年7月6日に引き続き、26日に元オウム真理教の幹部の死刑が執行され、明治の大逆事件の十二名より多くの確定死刑囚、十三名全員が処刑されました。
 多くの先進国で廃止されている、国家が人の命を奪う死刑という制度が、真実必要なものなのかどうか、議論の分かれるところではありますが、国民ひとり一人の責任として、きちんと考えなければならないと思います。
 戦争の真実を証言し続けてこられた、鶉野晋太郎さんという方の体験談を、山内小夜子さんという方がまとめられた文章を抜粋して紹介させて頂きます。
 広島出身の鶉野さんは、敗戦後シベリア抑留を経て、中国の撫順戦犯管理所に収容されました。戦時中、第三十九師団(治安維持師団)の将校として、およそ人間のすることではない「殺し、奪い、焼き尽くす」三光作戦の実行者として、自身斬首した中国人を犬猫以下に扱い、野犬の餌にさえしたと。
 中国での戦争犯罪を問われた1109名が、撫順と太原の戦犯管理所に収容されました。その中には満州国皇帝であった溥儀も居たそうです。
豊富な食料や、手厚い看護も受けられる、衛生的で文化的な施設でしたが、戦争中の自身の行いを省みて「手記」として記録に残すことを通して、その罪を知り告白する「認罪」運動が課せられました。
 当初、「上官の命令に従っただけで、私個人にはさほど責任はない」との思いで書いた手記も、何度も書き直すうちに、自分の行いによって死んだ人たちや、その遺族に思いを馳せると、自分が生きていること自体、許されないことと思ったといいます。
 1956年の特別軍事法廷で、鶉野さんは極刑を覚悟していましたが、実際は「禁固13年」しかもシベリアと管理所の11年間が参入されて、2年後には帰国が許されると。
 判決が下されたその時、鶉野さんは驚きで気を失いそうになったが、傍聴席の被害者遺族からは「そんな馬鹿なことがあるか、どうして死刑にしないんだ!」と怒号が飛び、法廷が混乱したが、裁判長は「これは死刑にしてはならないのである」と言い放ったという。45名の重要戦犯容疑者を含む、1109名全員が刑期を終え帰国している。
 その後、鶉野さんは戦場の実態を伝え、戦争犯罪を告白し、そのようなことを犯してしまった自分自身のこころと、それを培った国の教育の虚偽や過ちを明らかにすることを通して、自身の罪を背負ってこられました。
 現代中国は、当初の国家建設の理想像とは、距離が出来てしまったようですが、命をもって償わせるあり方より、時には死ぬよりつらい罪を背負い続けて、それでも生きて償うことの価値を見直さなければならないのではないでしょうか
「いのち、みな、生きらるべし」は如来の願いです。

九月の行事
3 日(月)午後1時半〜5時 囲碁教室(新設)
14日(金)午後2時〜 仏教コーラスの会

 秋季彼岸永代経法要
15日(土)午後2時~ 法要・仏教コーラス発表
          南御堂合唱団共演・ご法話
午後6時〜 法要・ご法話
 ご講師 阿倍野即応寺住職 藤井善隆師
       *お抹茶お斉接待あります。 

20日(木)午後2時〜 仏教民謡踊りの会
25日(火)午後2時〜門徒女性聞法のつどい
27日(木)午前10時半〜 ピラティス

十月の行事
10日(水)午前10時半〜 ピラティス

18日(木)午後2時〜 仏教民謡踊りの会

20日(土)午後4時〜 祥月講・同朋の会聞法会
ご講師 円龍寺住職 門井 斉師  
25日(木)午前10時半〜 ピラティス
23日(火)午後2時〜 門徒女性聞法のつどい

*仏教コーラスの会、囲碁教室は未定です。
*本堂内全てイス席、冷房完備、どなた様もお気軽に
posted by ansenji at 02:44| Comment(0) | 住職日々随想
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