2013年05月31日

住職日々随想

ご門徒Kさんの本宅跡地の一角には、樹齢400年を超える立派な椎の木が有ります。
ご近所の迷惑にならない様にと、枝打ちと 手入れはずっと続けておられますが、
こういう古木を専門に扱う樹木のドクターが、白足袋を履き威儀を正して、
お世話をされるそうです。
人の寿命を遥かに超える、古い樹木には木霊が宿ると信じられているようですが、
古木の命に対する素朴な畏敬の念の表れともいえるでしょう。
私たちの目には地上の威容しか目に入りませんが、地中では梢の先々に至るまで
その根は拡がり、その高さを超えてより深く根を降ろしているのです。
この根が健康に保たれてこそ、冬場枯れている様な樹も、
また、春にはしなやかな枝に若葉を茂らせる事ができるのです。
根の弱った樹は大風や大水に耐えられず、容易に倒れてしまうのです。
私たち人間も根なる部分がやせ細ってしまっていては、この世の悲しみ苦しみに
耐えてことはできないのではないでしょうか。
宗教は「宗(むね)とする教え」すなわち、人にとっての根となるもののことを言うのでしょう。
この根とは、連綿と受け継がれてきたいのちの歴史、そして私を慈しみ育ててくれた
無量無数のご縁に他なりません。そしてこのご縁に対する深い謝念こそが
仏恩報謝の南無阿弥陀仏のこころなのです。
posted by ansenji at 22:47| Comment(0) | お知らせ
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