2017年07月26日
8月住職日々随想
夏の楽しみの一つにNHKラジオ第一放送の「夏休み子ども科学電話相談」があり、時間が許せば聴取するようにしています。
先日も、深海に住む提灯アンコウの驚くべき生態が紹介されていました。
提灯アンコウのオスはメスの一〇分の一ぐらいと小さく、目はなく嗅覚だけで捕食をするそうです。
運良く同種のメスと遭遇すると、その皮膚に鋭い歯で食いつき離れなくなります。
そして、オスはメスの血液を吸い栄養にしますが、やがてメスの身体に細胞レベルまで同化し、精巣だけを残して、脳も内臓も消滅してしまい、完全にメスの皮膚の一部になります。
こうすることで、メスはいつでも産卵することが出来るようになるそうです。
何とも残酷な話ですが、厳しい環境の中で子孫を残すため、生き物たちは全知全能を傾けてがんばっているのです。
こういった話を、動物や植物、昆虫や天文など、それぞれの分野の専門家の先生方が、子ども達の質問に、子ども達に分かるよう、苦心惨憺しながら解説していかれます。
最近、外来種の害虫とされているヒアリが発見され、大きな問題になっていますが、その駆除のために、在来の多くの蟻たちもが、巻き添えで駆除されてしまっているそうです。
そこで思い出しますのは、何年か前に放送されたこの番組で「台所に蟻が出て、お母さんが困っています。どうしたらよいでしょう?」という子どもの問いに、普通ならば「蟻の通り道をふさぎましょう」とか、「餌になるものを置かないようにしましょう」と答えるところですが、このときの先生は「足を下ろすときには、気をつけて下ろしてください。」と、蟻を踏みつぶさないようにと、アドバイスされ、小さな生き物に対する愛情が感じられ、ほほえましく思うとともに、こういう教育こそが、本物の豊かな感性を育むのだなと、いたく感心させられたことです。
およそ仏教では、キリスト教のように、人間は万物の霊長、神の代理人として人間のみが、この世を統べる優れた存在なのだ、などとは言わず、「一切衆生悉有仏性」と、全ての生きとし生けるものには仏の種が宿る、その中むしろ人間のみが生き方に迷い、その迷い故に、実は最も劣った存在なのだと言われます。
しかし又、迷いあればこそ、道を求める心も深く、仏に最も近い存在なのだ、とも教えられるのです。
西洋キリスト教的価値観が、ある意味行き詰まり、今日の地球温暖化などの環境問題や、宗教・民族対立などの遠因となっている、との認識の広まる中、智慧の宗教たる仏教に、世界中の期待が集まりつつあるのです。
8月の行事
2 日(水)午前10時半 ピラティス
6 日(日)午後1時 おみがき 清掃奉仕
10日(木)午後2時 仏教民謡踊りの会
14日(月)盂蘭盆会法要
15日(火)両日とも午後1時・3時・7時半
の、計六座
*読み上げご希望のご法名書き出してお持ち下 さい。お世話方の皆様が浄書して下さいます。
九月の行事
6 日(水)午前10時半 ピラティス
8 日(金)午後2時 仏教コーラスの会
16日(土)午後2時・夕方6時
秋季彼岸会永代経法要
ご法話 阿倍野即応寺ご住職 藤井 善隆師
27日(水)午後2時 仏教民謡踊りの会
*八月九月の門徒女性聞法の集いは、盂蘭盆会、 彼岸会が有りますのでお休みです。
*どなた様もお気軽に、本堂内冷房完備、全て イス席です。
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| 住職日々随想
2017年07月02日
7月住職日々随想
「朝三暮四」ということわざの由来をご存じでしょうか?
中国の宋の時代、狙公(そこう=猿回し)が飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ日暮れに四つやると言うと、猿が大層怒ったため、朝に四つ日暮れに三つやると言うと大層喜んだという故事にちなんでいますが、目先の利にとらわれて、大局を見失ってしまう愚を戒めるものです。
一昨年の特定秘密保護法、昨年の安保法制の強行採決の記憶も冷めやらぬなか、日本のこれまでの法体系を根底から変えてしまうような、テロ等準備罪…いわゆる共謀罪と呼ばれる法律が、国民の多くが十分な説明がなされていないと感じるなか、数におごる与党などの賛成多数によって、可決成立いたしました。
担当大臣が、その法律の必要性を述べる立法事実さえ、まともに答弁できないうえ、テロとはおよそ無関係な国際条約(TOC条約…マフィア等の資金洗浄防止の為の条約)への加盟無くしてはテロは防げないという無理のあるの説明がなされ、かてて加えて、うがった見方かもしれませんが、総理に極めて近い関係者への利益誘導が強く疑われる事案の、早期収束を図るために、民主主義のルールを軽視するような形で、急ぎ採決が強行されました。
この法律は天下の悪法と言われている戦前の治安維持法に極めて類似しており、ひとたび運用を誤れば、一般の人々の内心の自由を侵し、一億総監視社会にしてしまう危険性を孕んだもので、よしんば抑制的に運用されたとしても、一般の人々の国政等に対する批判などを萎縮させる効果は十分にあるものです。
おそらく馬鹿な国民は、行政改革が殆ど進んでいなくても、株価を高めに誘導し、景気の好調を演出し続け、さらに問題を取り上げるべき場である国会を閉じてさえしまえば、すぐに忘れてしまうだろうと、高をくくっている節が見受けられます。
悲しいかな、第四の権力とも言われ、本来国家権力をチェックするべきマスコミが、その任を十分果たさず、日々起こる様々なニュースを垂れ流し続けるなかで、国民の目を曇らせてしまっているようにさえ思われ、じつに暗澹たる気持ちにさせられてしまいます。
仏教で言われる法(ダルマ)は、物事全てを貫くの道理、いついかなる場合に於いても、変わることのない真理に名付けられたものです。
もちろん、娑婆において凡夫が定めた法を同一に論じることなど出来ませんが、未来に対する責任として、皆・斉しく・同じく、うなずくことの出来る法(ダルマ)に、半歩なりとも近づく努力、自力を尽くす誠実さが求めらます。
見ざる聞かざる言わざるではすまないのです。
七月の行事
2 日(日)午後2時 ゆかた講習会
5 日(水)午前10時半 ピラティス
8 日(土)午後4時 祥月講同朋の会聞法会
21日(金)午後2時 仏教コーラスの会
27日(木)午後2時 仏教民謡踊りの会
八月の行事
2 日(水)午前10時半 ピラティス
6 日(日)午後1時 おみがき 清掃奉仕
10日(木)午後2時 仏教民謡踊りの会
14日(月)盂蘭盆会法要
15日(火)両日とも午後1時・3時・7時
計六座
*読み上げご希望のご法名書き出してお持ち下 さい。お世話方の皆様が浄書して下さいます。
*どなた様もお気軽に、本堂内冷房完備、全て イス席です。
中国の宋の時代、狙公(そこう=猿回し)が飼っている猿にトチの実を与えるのに、朝に三つ日暮れに四つやると言うと、猿が大層怒ったため、朝に四つ日暮れに三つやると言うと大層喜んだという故事にちなんでいますが、目先の利にとらわれて、大局を見失ってしまう愚を戒めるものです。
一昨年の特定秘密保護法、昨年の安保法制の強行採決の記憶も冷めやらぬなか、日本のこれまでの法体系を根底から変えてしまうような、テロ等準備罪…いわゆる共謀罪と呼ばれる法律が、国民の多くが十分な説明がなされていないと感じるなか、数におごる与党などの賛成多数によって、可決成立いたしました。
担当大臣が、その法律の必要性を述べる立法事実さえ、まともに答弁できないうえ、テロとはおよそ無関係な国際条約(TOC条約…マフィア等の資金洗浄防止の為の条約)への加盟無くしてはテロは防げないという無理のあるの説明がなされ、かてて加えて、うがった見方かもしれませんが、総理に極めて近い関係者への利益誘導が強く疑われる事案の、早期収束を図るために、民主主義のルールを軽視するような形で、急ぎ採決が強行されました。
この法律は天下の悪法と言われている戦前の治安維持法に極めて類似しており、ひとたび運用を誤れば、一般の人々の内心の自由を侵し、一億総監視社会にしてしまう危険性を孕んだもので、よしんば抑制的に運用されたとしても、一般の人々の国政等に対する批判などを萎縮させる効果は十分にあるものです。
おそらく馬鹿な国民は、行政改革が殆ど進んでいなくても、株価を高めに誘導し、景気の好調を演出し続け、さらに問題を取り上げるべき場である国会を閉じてさえしまえば、すぐに忘れてしまうだろうと、高をくくっている節が見受けられます。
悲しいかな、第四の権力とも言われ、本来国家権力をチェックするべきマスコミが、その任を十分果たさず、日々起こる様々なニュースを垂れ流し続けるなかで、国民の目を曇らせてしまっているようにさえ思われ、じつに暗澹たる気持ちにさせられてしまいます。
仏教で言われる法(ダルマ)は、物事全てを貫くの道理、いついかなる場合に於いても、変わることのない真理に名付けられたものです。
もちろん、娑婆において凡夫が定めた法を同一に論じることなど出来ませんが、未来に対する責任として、皆・斉しく・同じく、うなずくことの出来る法(ダルマ)に、半歩なりとも近づく努力、自力を尽くす誠実さが求めらます。
見ざる聞かざる言わざるではすまないのです。
七月の行事
2 日(日)午後2時 ゆかた講習会
5 日(水)午前10時半 ピラティス
8 日(土)午後4時 祥月講同朋の会聞法会
21日(金)午後2時 仏教コーラスの会
27日(木)午後2時 仏教民謡踊りの会
八月の行事
2 日(水)午前10時半 ピラティス
6 日(日)午後1時 おみがき 清掃奉仕
10日(木)午後2時 仏教民謡踊りの会
14日(月)盂蘭盆会法要
15日(火)両日とも午後1時・3時・7時
計六座
*読み上げご希望のご法名書き出してお持ち下 さい。お世話方の皆様が浄書して下さいます。
*どなた様もお気軽に、本堂内冷房完備、全て イス席です。
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| 住職日々随想
2017年05月26日
6月住職日々随想
ひとつの言葉で喧嘩して
ひとつの言葉で仲直り
ひとつの言葉はそれぞれに
ひとつの命を持っている
古来より言葉は言霊と言って魂が宿ると言われておりました。特に漢字文化圏では、本名(諱=いみな)にはその人の魂がこもると信じられ、親か主君以外呼ぶことは忌避され、それ故、本名のほかに字(あざな)と言う、いわゆる愛称を持って呼び習わすことが普通にありました。
それほど昔の人々は言葉に対する敬いと、畏れの気持ちを持って用いようとしてきたのではないかと思います。
ところが、近年ヘイトスピーチやネット上にあふれる様々の誹謗中傷など、言葉が非常に暴力的に、また粗雑に扱われるようになったと感じられます。国会等に於いても、およそ誰が聞いても、不誠実な答弁が平気でなされたりして、「上乱るれば下なお乱る」のことわざ通り、およそ手本にする事の出来ないところです。
そういった問題に、昨年の大統領選挙によって分断されたアメリカでは、「ファクトチェック」という、発言の真偽の検証が行われるようになってきて、十分とはとても言えませんが、やや言葉が抑制的に使われるようになってきたように見受けられます。
かたや我が国でも、2013年には、鶴橋駅前に於いて「殺せ殺せ朝鮮人!」のシュプレヒコールや、中二の少女による「鶴橋の在日朝鮮人大虐殺しますよ!」の絶叫スピーチなど、低年齢層にまで広がる動きに、深く憂慮せざるを得ない、極端な事例も発生いたしました。
在日の方々は、きっと言い知れぬ恐怖と憤りを覚えられたに相違ありません。
昨年のヘイトスピーチ対策法の施行からちょうど1年となる今、憎悪に満ちた人を傷つける発言や行動は減ってきたのでしょうか?
この法律はいわゆる理念法であって罰則規定は設けられてはおりません。しかし、現場の自治体において、様々な条例との組み合わせ、例えばヘイトスピーチやヘイトデモを行う目的などが明確な場合、公園や公民館などの公共施設の使用を許可しなかったりするという形で未然に防止するなど、ある程度の実効性は認められるところです。なにより人々の心に、他人を傷付ける事に対する自省と嫌悪が芽生えることが期待されます。
言葉によって傷つくのも人間なら、言葉によって癒やされるのも人間、言葉は誰かを傷つけるためではなく、心を結ぶためにこそ有るのです。ことに真実の言葉「南無阿弥陀仏」こそは一切衆生を摂取して捨てじと誓われた、阿弥陀仏の大悲の永遠の呼びかけ、耳を澄まし聞き取って、随順してまいりたいものです。
六月の行事
13日(火)午後2時 門徒女性門法の集い
浄土和讃25
14日(水)午前10時半 ピラティス
16日(金)午後2時 仏教コーラスの会
17日(土)午後4時 祥月講同朋の会聞法会
専光寺 島 洸陽師
25日(日)午前11時半 女性会総会
オカリナコンサート
29日(木)午後2時 仏教民謡踊りの会
七月の行事
2 日(日)午後2時 ゆかた講習会
5 日(水)午前10時半 ピラティス
8 日(土)午後4時 祥月講同朋の会聞法会
21日(金)午後2時 仏教コーラスの会
27日(木)午後2時 仏教民謡踊りの会
*どなた様もお気軽に、本堂内冷房完備、全てイス席です。
posted by ansenji at 10:58| Comment(0)
| 住職日々随想